第580章

小林絵里が言った。

「わたしがこの目で、あの女が罰を受けるところを見届けない限り……本当に苦しいままなの」

 その言葉に、庄司玉輝はそれ以上何も言わなかった。

 二人は再び車を走らせ、九号公館へ戻った。だが、車から降りはしない。

 小林絵里は坂田和也に電話をかける。

「戻りました」

「……ああ。迎えをやる」

 低く、喉の奥に響くような声が返ってきた。

 小林絵里は何も言わず、そのまま通話を切った。

 五分ほどして、一人の男が近づき、窓をコンコンと叩く。深く頭を下げて言った。

「小林嬢でいらっしゃいますか?」

「そうです」

「こちらへ。坂田社長がお待ちです」

 小林絵...

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