第592章

小林絵里は眉をひそめ、「たしかに変だね。鍵、替えたの?」と訊いた。

松本桜はうなずく。「替えたよ。でも意味なかった。今どきの泥棒って、ピッキング技術までそんなにすごいの? ていうか、鍵開け覚えてから泥棒になったタイプじゃない?」

小林絵里は思わず吹き出したが、それでも言った。「こんなに物騒なら、引っ越したほうがいいよ」

松本桜はソファに沈み、ふうっと息を吐く。「わたしだってそうしたいけどさ。大家が敷金返してくれないんだもん。結構な額なの」

小林絵里は困ったように見て、「契約、あとどれくらい?」と尋ねた。

松本桜は少し考えてから、「あと1か月。今月住んだら引っ越す」と答える。

「う...

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