第593章

小林絵里はスマホを取り出し、「何ぼさっとしてるの。警察呼びなよ」と言った。

松本桜は慣れっこみたいな顔で肩をすくめる。「呼んだよ。でも盗られた物もないし、防犯カメラも壊れててさ。ぜんぜん意味なかった」

小林絵里の眉間がきゅっと寄る。「それでも危なすぎるよ。うちに来なよ。一緒に住もう」

「でも……敷金が……」

小林絵りは真顔になった。「敷金と命、どっちが大事?」

「……敷金」

「……」

小林絵りはその返事を丸ごと無視して部屋に入り、手早く荷物をまとめ始めた。しばらくすると、だいたい片がつく。

ふと振り返ると、松本桜はまだぬいぐるみだの玩具だのを丁寧に整えていた。

小林絵りはた...

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