第598章

翌日。

小林絵里がスタジオに入ると、須藤星皓がデスクに座ったまま、顔を腫らし青あざだらけの状態でキーボードを叩いていた。指の動きまでぎこちない。

「須藤……どうしたの?」

絵里が青ざめて駆け寄ると、須藤はちらりと彼女を見て、すぐに笑ってみせた。だが口角が引きつり、その瞬間、痛みに顔がくしゃりと歪む。

「俺……大丈夫」息も絶え絶えに言い足す。「昨夜、君の家を出たあと坂田社長に会ってさ。『ちょっと拳で手合わせしよう』って言われて、付き合っただけだ。心配するな。本当に平気だから」

絵里は眉を寄せた。

「……手合わせ、だけで?」

それだけで、ここまでひどくなるはずがない。

須藤はまた...

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