第599章

坂田和也は資料にざっと目を通すと、すぐさま言い放った。

「通達しろ。あいつの母親を入院させた病院は、坂田家の敵だ」

「はい!」

松本幸雄はうなずき、踵を返して出ていった。

坂田和也はもう一度スマホを手に取り、目に痛いほど露骨な写真へ視線を落とす。黒い瞳に、冷えきった光と侮蔑がひと筋よぎった。

午後。

須藤星皓のもとへ、介護士から電話が入った。

「須藤くん、どうしよう……お母さん、追い出されちゃったの。医療費の滞納が長すぎるって、病院が受け入れないって……」

須藤星皓はその場でガタッと立ち上がった。

「いま、どこにいるんですか?」

「病院の正面玄関よ。お母さん、もう気を失っ...

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