第604章

小林絵里はそれを聞くなり、慌てて手を振った。

「いいえ、おばさん。お見舞いに来ただけですから。ここでお話し相手をさせてくださいね」

須藤星皓が言う。

「ちょうどいい。俺、ちょっと用事で出てくる。二人で先に話してて」

須藤奥さんは一瞬きょとんとして、それから困ったように笑った。

「まったく、あの子ったら」

小林絵里はそのままベッドの脇に腰を下ろし、須藤奥さんとおしゃべりを始めた。話すうちに、須藤星皓のこれまでのこともいろいろ知っていく。

須藤奥さんは、こんなふうに誰かとじっくり話すのは久しぶりなのだろう。口を開けば次から次へと話があふれ出し、とどまるところを知らない。

須藤星皓...

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