第617章

とはいえ――自分の口からそんなことを言ったかもしれない、という思いは確かにある。けれど録音を聞けていない以上、小林絵里はどうしても信じ切れなかった。自分がそんな言葉を吐いたなんて。

待って……。

坂田和也が彼女を止めようと思えば、簡単だったはずじゃない?

なのに、どうして「録音を消される」ことを怖がった?

聞かせないってことは――つまり、嘘をついているってことじゃないの?

小林絵里は、自分の推理は正しい、しかもかなり正しいと確信した。あまりの馬鹿らしさに言葉も出ず、白い目で一つ見上げてから団地を出る。

そしてもう一度、例の高級住宅街へ。今度は助っ人を連れてきた。

須藤星皓がだだ...

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