第625章

小林絵里は紙袋を握る指にぎゅっと力を込め、瞳に驚きの色を走らせた。

「どうして知ってるの?」

古川修一は吹き出すように笑い、すぐに含みのある口調で言う。

「わかる、わかるって。サプライズの準備だろ? オーケー、じゃあ聞かない」

小林絵里はきょとんとしたまま立ち尽くす。

けれど、ふと思い直した。どうせ同じ界隈の人間だ。古川修一が高川寒彦の誕生日を知っていても不思議じゃない。

絵里は何も言わなかった。古川修一には特に興味もないし、話すことだってない。

その一方で古川修一はスマホを取り出し、坂田和也にメッセージを飛ばす。

古川修一:【エレベーターで誰に会ったと思う?】

坂田和也:...

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