第626章

古川修一は坂田和也の顔色をうかがった。すると、彼の表情はみるみる冷え込み、まとっていた空気までもが別人のように変わっていく。

古川修一は軽く咳払いをして言いかける。

「その……たぶん俺の勘違いだ。あいつ、君の誕生日を祝いに来たんじゃなくて、彼女は――」

「黙れ!」

坂田和也は冷ややかに吐き捨てると、携帯を突き返し、立ち上がってそのまま歩き出した。

古川修一はあわててスマホを受け止め、追いすがるように声を投げる。

「えっ、おい、どこ行くんだよ?」

……

同じフロアの別の個室。

小林絵里がドアを押し開けて入ると、高川寒彦が大勢に囲まれ、ソファの中央に座っていた。室内はやけに賑や...

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