第627章

小林絵里は自分の手を引き抜き、冷ややかな目で小嶋未沙を見た。

「わたしがどこにいようと、わたしの勝手よね。小嶋嬢、口出ししすぎじゃない?」

小嶋未沙は顔をさらにこわばらせる。

「このクズが……寒彦さんの誕生日パーティーに出る資格なんてあるわけないでしょ? 出て行って!」

「小嶋未沙!」

高川寒彦の声が、数段低く冷えた。彼は立ち上がり、小林絵里を自分の背に庇うように引き寄せる。整った瞳に、はっきりとした冷たさが宿っていた。

「小林絵里は、俺の客だ」

「寒彦さん! あの女は男を渡り歩くような、節操のない――」

小嶋未沙は、寒彦が小林を庇ったことに耐えきれないように、悔しさを露わに...

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