第63章

「遊びに行きたくないなら、家で大人しくしていろ」

そう言い残すと、彼は立ち上がり、自室へと向かっていった。

バンッ!

小林絵里は、持っていた箸を力任せにテーブルに叩きつけた。

腹が立って、すっかり食欲が失せてしまった!

どうしてこの件について、もっときちんと話し合ってくれないのでしょうか。

本当に、頭にきます!

その時、ふいにスマートフォンの着信音が鳴り響いた。絵里は少しばかり感情を落ち着かせ、画面に目を落とす。松本桜からの電話だった。

「絵里、今どこにいるの?」

電話の向こうから、桜の気怠げな声が聞こえてくる。

絵里は答えた。

「蘭市だよ」

「蘭市、いいじゃない。あ...

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