第633章

松本桜は真正面から言い放った。「坂田和也、まだいるつもり? ここじゃ誰もあんたを歓迎してないの、見れば分かるでしょ?」

坂田和也は取り合わない。ソファに腰を下ろしたまま、ノートパソコンの画面を見つめていた。

白いシャツにネクタイはなし。襟元のボタンを外し、端正で鋭い顔立ちは冷ややかに整っている。眉の稜線はきつく、伏せられた睫毛が、瞳に潜む氷のような色を隠していた。

すらりとした指先が、かたかたとキーボードを叩く。表情は驚くほど真剣だった。

松本桜は白けたように目を上げると、小林絵里のそばへ移り、水の入ったコップを差し出した。「ほんっと、厚かましい」

小林絵里は静かに言う。「桜、帰っ...

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