第644章

藤原景丞の顔から、笑みがさらに薄れていく。坂田和也を見る目にも、露骨に棘が増した。

「坂田社長、そんなふうに言うことがころころ変わるのは……さすがに無責任じゃないですか? 離婚するって噂が流れたとき、どうして離婚しなかった。いまは坂田家と江口家が縁談だって話まで大騒ぎになって、うち藤原家まで巻き込まれている。坂田社長はいったい、何を企んでいるんです?」

「へっ」

坂田和也が鼻で笑う。

「俺が『離婚する』って言ったら、お前らは信じるのか? だとしたら……ずいぶんおめでたいな」

藤原景丞の表情が、みるみる険しくなる。

小林絵里が首をかしげた。

「藤原家まで巻き込まれてるって、どうい...

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