第645章

病室内。

小林絵里はもう坂田和也を相手にせず、ひとりでベッドに横になると、目を閉じた。

坂田和也は彼女をじっと見つめ、しばらくしてから口を開く。

「小林絵里。離婚訴訟を起こすって言い出したのはお前だ。もしそのせいで俺に何かあったら……全部、お前のせいにする」

小林絵りは眉をひそめて坂田和也を見た。

「筋が通ってない。いま離婚するなら、こっそり手続きして終わらせればいいでしょう。あなた、何かあるって……何があるのよ?」

「だって、俺が嫌だから」

小林絵里は言葉を失った。

自分が離婚したいと言ったから、彼が何かあったら全部こちらのせい――そんな理屈があるわけがない。

この男、相...

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