第649章

高川寒彦は小林絵里を見やった。「何が食べたい?」

松本桜が言う。「もう聞いたの。『何でもいい』って。じゃあ何品か挙げてって言っても『好き嫌いないから』ってさ。腹立たない?」

高川寒彦は小さくうなずいた。「それは確かに腹立つな」

小林絵里は無辜な顔でぱちぱちと瞬きをする。「だって本当に何でもいいし、好き嫌いもないんだもん……」

松本桜が冷ややかに一瞥した。「じゃあ褒めてあげるべき?」

小林絵里はにこにことうなずく。「うん、いいよ」

松本桜は遠慮なく白い目をくれた。

高川寒彦は少し考え込み、「じゃあ、こっちで手配するか」と言った。

小林絵里が尋ねる。「それ、迷惑じゃない?」

高...

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