第656章

古川修一の言葉は、どう考えても俺への報復だった。そう確信した瞬間、奴は電話をぶつりと切る。

坂田和也は鼻で笑い、ポケットから煙草を取り出した。カチッ。火を点け、ゆっくりと一服する。

……

黄昏時。西の空いっぱいに茜が広がり、きらきらと眩しい色で燃えていた。

小林絵里は歩き疲れ、ベンチに腰を下ろす。湖面には幽かな青の空が映り、息をのむほど綺麗だった。

松本桜が水を差し出しながら言う。

「絵里、なんかさ……」

言いかけて、言葉を飲み込む。

絵里はひと口飲み、首をかしげた。

「うん? なに?」

桜は小さくため息をつく。

「坂田和也、あんたに執着してる感じしない? 前は力ずくで...

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