第662章

「それにさっきのあれ。『この顔が好きなんだろ?』って……はぁ、マジで無理。目的のためなら、あいつなんでもやるんだね」

松本桜は小林絵里の隣に座り、さっき坂田和也が絵里に投げた言葉を思い出して、ぶわっと鳥肌を立てた。

小林絵里「……」

絵里も、少し黙った。

本気で思う。坂田和也は、どうかしてる。

彼は気づいたのだろうか。自分が、あの顔に弱いことを。だからわざと、あんな言い方を――?

松本桜の言葉を噛みしめると、たしかにそうとしか思えない。

ここ数日の彼の振る舞いは、以前とほとんど変わっていなかった。

出会ったばかりの坂田和也は、何もかもが手探りで、何もかもが見知らぬものだった。...

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