第67章

夕方になると、坂田和也が事故に遭ったという知らせを聞きつけ、蘭市の取引先が次々と見舞いに訪れた。

小林絵里はそばで様子を窺うだけで、終始一言も発しなかった。

見舞い客が皆帰った後、彼女はドアをしっかりと閉めて尋ねた。

「前に、ブレーキが利かなかったと仰っていましたが、それって人為的なものですか?」

「かもしれないな」

小林絵里は眉をひそめた。

「誰がそんなことを? そうして何のメリットがあるんですか?」

「メリットは山ほどある。それに、Y市の連中がここまで手を伸ばしてきた可能性も排除できない。俺が死ねば、坂田家を継ぐ者がいなくなるからな」

現在、坂田家に残された後継者は坂田和...

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