第676章

病院。

古川修一が戻ってくるなり、朝食屋で起きた出来事を身振り手振りつきで、まるで見てきたかのように語りはじめた。

しばらく聞いていた坂田和也が、不意に言葉を挟む。

「……本当に、あいつはそう言ったのか?」

古川修一は一瞬きょとんとしたが、すぐに察した。小林絵里が高川寒彦の告白を断った件だ。うなずいて答える。

「そうだよ。あれ、結構気まずそうだったしさ。まさか高川寒彦がいきなり告白してくるなんて思ってなかったんだろ」

坂田和也の眉間にしわが寄る。

――小林絵里は、高川寒彦が好きじゃない。

その事実を知れたなら、本来は嬉しいはずだった。

なのに、胸の奥がずしりと重くなる。

...

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