第688章

  ネクタイはだらしなく首にぶら下がり、禁欲という檻を今にも突き破りそうな獣性が全身から滲み出ていた。

  彼が姿を現した瞬間、あちこちで女たちの悲鳴が上がる。

  松本桜は興奮したように小林絵里の腕を掴んだ。

「やば、超カッコいい……腹筋触りたい。絶対、手触り最高だって」

  絵里はしばらく男を見つめたが、胸の内は特に揺れなかった。

  音楽のビートに合わせ、男は踊り始める。盛り上がりの頂点に達するたび、身につけているものを一つずつ脱いでいった。

  一回目はネクタイ。

  二回目はシャツ。

  三回目はベルト。

  そして最後、上半身裸のまま、一曲を踊り切る。

  照...

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