第689章

「ねえ、お姉さんたち。こんな朝っぱらからどこ行くの? 兄ちゃんたちと一杯付き合わない?」

 先頭の金髪が、からかうような顔で小林絵里と松本桜を見た。目の奥に、ぎらりとした色。――どっちも目を引く美人だ。

 小林絵里は眉を寄せる。「ごめんなさい、今は……。また今度にしてください」

 松本桜の手をぎゅっと握り、脇をすり抜けようとする。

 だが金髪が一歩踏み出し、正面に立ち塞がった。

「じゃあ、いつならいい? 別に変な意味じゃねえよ。二人と仲良くなりたいだけ。な? 顔立ててさ、酒飲んだら絡まねえから。どう?」

 ――そんなわけがない。

 こいつらについて行ったら、無事じゃ済まない。

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