第695章

  坂田お婆さんは小林絵里の手をそっと離し、顔に疲れをにじませながら言った。

「こんなに話したら、さすがに疲れたよ。あなたたちはもう帰りなさい」

  すると坂田和也が、ふいに口を挟む。

「お婆さん。俺の記憶違いじゃなければ、会いたかったのは俺だろ? なんで俺が来たのにほとんど話さないで、ずっと彼女の手ばかり握ってるんだ」

  坂田お婆さんは呆れたように肩をすくめた。

「そんな小さいことまで気にするのかい? だから絵里に捨てられるんだよ。器が小さい!」

  坂田和也「……」

  小林絵里はくすっと笑い、さらりと言った。

「ちょっと喉が渇いたので、飲み物を買ってきます」

  そ...

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