第696章

  夕日が傾き、淡い光の輪がふわりと降りてくる。深い藍の空がじわじわと広がり、彼女の輪郭を包み込み、影だけが長く伸びた。

  坂田和也は、そのまま黙ってしばらく彼女を見ていた。

  小林絵里は視線を感じ、振り返る。そこには、坂田和也の深く刺さるような眼差し。

  ぱちりと瞬きをして、「いつ出てきたの?」と尋ねた。

  様子からして、もう少し前から外にいたらしい。

  絵里は彼のところへ歩み寄り、手にしていたオレンジ味のサイダーを差し出す。

  「飲む?」

  坂田お婆さんには年齢的にきつい。体が受け付けないかもしれない。それでも買った。絵里自身、オレンジ味のサイダーが好きだった...

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