第706章

その言葉を聞いた瞬間、坂田和也は眉をきゅっと寄せた。まず藤原千惠へ視線を向け、淡々と言う。

「祖母の相手をしてくれてありがとう。迷子にさせずに済んだ」

藤原千惠は、坂田和也の端正で鋭い横顔を見た途端、ぱっと目を輝かせ、首を振った。

「いいえ。坂田お婆さんとお話しするの、わたし好きなんです」

そう言って、坂田お婆さんにもにこりと笑いかける。

坂田お婆さんはたちまち目尻を下げ、嬉しそうに言った。

「お嫁さん、ほんとにべっぴんさんだねえ」

褒められて藤原千惠は頬を染め、気まずそうに笑う。

「藤原さん。少し外で話せるか?」

坂田和也が声をかける。

「はい、もちろんです」藤原千惠は...

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