第712章

「はっ!」

 松本桜は彼を見つめ、信じられないという顔のまま言い放った。

「古川修一、そんな言い方するなら、もう話す意味なんてないでしょ? いっそ私を連れ戻して、鎖でも二本つけて繋いでおけばいいじゃない。どうせ私は、あなたと条件を交渉できる立場じゃないんでしょ」

 本気で腹が立った。

 この男、どこかおかしいんじゃないの?

 普通に会話ってものができないわけ?

 立場がないって、どういうこと。

 しつこく絡んできたのは向こうで、一緒にいようと言ったのも向こうだ。それなのに、どうしてわたしに「資格がない」なんて言えるの。

 松本桜は立ち上がり、そのまま出ていこうとした。

「待...

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