第715章

「どうしたの?」

 小林絵里は怪訝そうに彼を見た。

 須藤星皓は唇をきゅっと結び、そっと彼女の手を離す。

「小林絵里。母さんの具合、あまり安定してないんだ。今ちょっと混乱しててさ……もし変なこと言っても、気にしないで。受け止めなくていい」

 小林絵里は眉を寄せた。

「そんなに悪いんですか? 先生とは相談しました?」

 須藤星皓は力なく笑う。

「もともと身体が弱いんだよ。前に何度か無理しただろ……それで、前みたいには戻らなくて。こっちに来られたから、なんとか持ってる」

 声はどこかかすれ、目の奥に濃い悲しみが沈んでいた。

 小林絵里にも、その痛みが伝わってくる。

 彼女は小...

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