第716章

須藤星皓の顔に、いくばくかの苦笑が浮かんだ。

「母さんの冗談だろ。お前まで乗っかって騒ぐなよ」

小林絵里が眉をつり上げる。

「だって、あなたのほうがわたしより年下でしょ?」

須藤星皓は真剣な目で彼女を見た。

「たった一歳だ」

「それでも年下は年下よ」

「……」

彼は言い返すのをやめた。

彼女がそれでいいなら、それでいい。

須藤奥さんは呵々と笑いながら見守っていた。けれど、その瞳の奥には、かすかな陰りが滲んでいる。

それでも小林絵里が来て、しばらく須藤奥さんの相手をしてくれたおかげで、顔色は目に見えて持ち直した。

須藤奥さんが疲れを見せたところで、小林絵里は席を立ち、辞...

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