第717章

坂田和也が、彼女の名を呼んだ。

「……ん?」

小林絵里が訝しげに返す。

「俺のこと、恋しくなったか?」

「……」

小林絵里は無表情のまま、通話を切った。

――何なの、この男。急にどうしたのよ。

想うわけないでしょ。

間もなく、スマホがぶるっと震えた。画面を覗く。

坂田和也【会いたい。ものすごく会いたい】

小林絵里はまぶたがぴくりと跳ね、慌ててスマホをしまい込む。どういうわけか、心臓が勝手にどくどくと暴れだしていた。

深呼吸を何度か繰り返し、その熱を押し込める。落ち着いたところで、ようやく息を吐いた。

……ほんと、最悪。

……

三日なんて、あっという間だ。

小林絵...

ログインして続きを読む