第720章

小林絵里は階下のカフェでコーヒーを飲んでいた。ふと視線を上げたその先で、庄司玉輝と須藤星皓が並んで出ていく後ろ姿が目に入る。

胸の奥に、すっと疑問が差した。

――また二人で出かけたの?

絵里は深く考えなかった。少し待ってからオフィスへ戻る。

契約の手続きを最後まで通し、経理から残金の入金完了を告げられた瞬間、肩の力が抜けるほど大きく息を吐いた。

スマホを取り出して、坂東先生に連絡を入れる。

事情を説明すると、坂東先生は「日程が確定したら連絡する」と言った。

パソコンの前に座り、心の中で張り詰めていた一本の糸が、ようやく緩んでいく。

……

それから一週間近くが過ぎた頃、ようや...

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