第721章

藤原景丞の顔つきが、さらに引き締まる。

「千惠。ほかのことなら、兄さんはいくらでも聞いてやれる。だが――これだけは駄目だ。おまえは藤原家の令嬢なんだぞ。人の結婚を壊すような真似をするな」

「人の結婚を壊すって、何それ。ちゃんと調べたもん。あの二人、離婚で揉めてる最中じゃない。しかも、景丞兄さんだって弁護士をつけてたでしょ?」

藤原千惠は唇を尖らせた。

「景丞兄さん。ここまでやっておいて、どうして最後だけ手伝ってくれないの?」

景丞は、彼女がここまで把握しているとは思わず、眉間にしわを寄せる。

「千惠……ほかの男じゃ駄目なのか。どうして、よりにもよってあいつなんだ。調べたなら知って...

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