第726章

庄司玉輝は諦めたように、ふうと息を吐いた。

「やっぱりね。最初からそうだった。あなたの考えは――ここを離れること」

小林絵里はそっと視線を落とし、淡く笑うだけで何も言わない。

ここで働くと決めたのも、結局は一時の判断だった。

彼女の目的はずっと一つ。離れて、自分の生活を手に入れること。

「わかった。じゃあ採用の準備に入る。ただな……お前の図面を見ちまったせいで、目が肥えた。責任取れ。これからの面接は、お前がやれ」

小林絵里はうなずいた。

「はい。問題ありません」

席を立ってオフィスを出る。扉が閉まるのを見届けるや否や、庄司玉輝はすぐに坂田和也へ電話をかけた。

「何だ」

繋...

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