第729章

須藤星皓は額の青筋をぴくりと跳ねさせると、踵を返してさっさと立ち去った。

庄司玉輝はふっと笑い、その背中を見送る。

焦ることはない……。

……

小林絵里は動き出した。翌日には早くも佐川鳥雄名義の土地へ足を運ぶ。周囲一帯は葡萄畑で、この場所にワイナリーを建てるのは確かに理にかなっていた。

佐川鳥雄の狙いは、休暇用のワイナリーを作ること。権力者の子息たちが遊べる場として供するつもりらしく、あらゆる細部にまでこだわりが強い。

絵里は地形をざっと掴み、佐川鳥雄が求めるイメージも一通り把握すると、アトリエへ戻った。そのまま昼夜の区別もなく図面を引き続ける。

初稿が仕上がったころ、ちょうど...

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