第739章

「いいわ。わたしも一緒に行く」

 斉藤子玄はそう言うと、彼女と連れ立って倉庫の前まで来た。鍵を取り出し、錠を開ける。扉がきぃ、と音を立てて開いた瞬間、差し込んだ光の筋の中で、舞い上がった埃がふわりと揺れた。

 立田芳子は入口を食い入るように見つめていたが、入ってきたのが二人だと分かると、肩の力を抜いて大きく息をついた。

「……あの人たち、もう行ったの?」

 おずおずと、立田芳子が訊ねる。

 斉藤子玄はうなずいた。

「はい。絵里が人を連れてきてくれたおかげです。でなきゃ、あなたは連れていかれてましたよ。院長先生、いったい誰に恨まれてるんですか? あいつら、相当ヤバそうでした」

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