第742章

様子を見て、小林絵里もそれ以上追い払おうとはせず、エンジンをかけてそのまま孤児院へ向かった。

帰り着く頃には、空はすっかり夜に沈んでいた。

斉藤子玄が子どもたちを連れて外へ出てくる。絵里の姿を見つけた途端、みんなの顔にぱっと笑みが咲いた。

「さあ、運ぶよ」

絵里はそう言って、車のトランクを開ける。

「買い物に行ってきたのか?」

斉藤子玄が目を丸くする。

「どうせ時間もあったし。孤児院で足りないもの、まとめて買ってきたの」

「ありがとう、絵里姉さん!」

子どもたちが声をそろえた。

「いいのよ。喜んでくれたなら」

絵里はやわらかく笑う。

そのとき、助手席のドアが開いた。す...

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