第744章

小林絵里は、やつれて青白い立田芳子を淡々と見下ろした。

「あなたが話さないなら、わたしはあなたを逃がさない。わたしが悔しくて、自分のものを取り返そうとしてると思った? 勘違いよ。そんなこと、ずっと大して気にしてない。親がいるかどうかだって、わたしにとってはそれほど重要じゃないの」

その言葉に、立田芳子の顔色がさっと曇る。勢いよく立ち上がり、感情をむき出しにして絵里を見据えた。

「どうしてそんなふうに言えるのよ! あの子が、あなたの全部を奪ったのよ! あなたの親がどれだけ金持ちか知ってる? 本当ならあなたはお嬢さまだったのに、それを奪われたの! それでも平気なの?」

小林絵りの澄んだ瞳...

ログインして続きを読む