第746章

斉藤子玄は肩をすくめるように苦笑した。

「……もういい。あんたはあんたの考えで決めな」

小林絵里は、はしゃぎ回る子どもたちを見つめたまま、黙り込む。

――わたしの考え、か。

本当のところ、絵里だって知りたかったのだ。自分の実の両親が、いったいどんな人間だったのか。

なら、調べればいい。会いに行けばいい。

そう腹をくくった瞬間、胸の奥で絡まっていた糸が、すっとほどけた気がした。

夜。

シャワーを浴び終えた絵里は、坂田和也にメッセージを送った。

小林絵里:【話があるの。今から来て】

送信してから五分も経たないうちに、ドアがコンコンと叩かれる。

絵里は立ち上がって玄関へ向かい...

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