第757章

「俺、来るタイミング……悪かったか?」

 小林絵里はようやく体勢を立て直したところで、嘲りを含んだ声を耳にした。

 途端に、頭がさらにズキズキする。

 斉藤子玄は眉をひそめ、振り返って彼を見た。

「誤解だ。彼女が気分悪そうだったから、支えただけだ」

 坂田和也は無言で歩み寄った。小林絵りの頬は不自然に火照り、目にも力がない。確かに、状態はよくなさそうだった。

 彼も眉を寄せ、かがむなり彼女を横抱きにする。

 斉藤子玄は頃合いを見て手を離し、言った。

「熱だと思う。早く県城の病院で診てもらえ」

 坂田和也は細い目に氷のような冷たさを宿し、斉藤子玄を一瞥しただけで、踵を返して大...

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