第760章

 それを聞くと、坂田和也はノートパソコンをぱたりと閉じた。彼女を見る視線に、ふっと笑みが混じる。

「俺に助けを求めてるってことか?」

 小林絵里はこくりとうなずいた。

「うん。だって……あなたの家のほうが、わたしよりずっとややこしいもの」

 坂田和也の胸に、じくりと刺さる。

 少し間を置いてから、彼は言った。

「俺ならまず、火をつけたのが誰かをはっきりさせる。藤原千惠なら、証拠と親子鑑定を藤原家の前に叩きつける。藤原家なら……手を尽くしてでも、潰す」

「……」

 絵里が考えていたのは、せいぜい「藤原家が相手なら、もう関わらない。知らなかったことにする」程度だった。

 やっぱ...

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