第761章

坂田和也は口を開き、あっさりと承諾した。

小林絵里の胸が、どくん、と跳ねる。

――同意した。

――やっと、同意した。

彼女を息もできないほど苦しめ、絶望させ、痛めつけてきたこの結婚が、ようやく終わる。

小林絵里は必死に高鳴りを押し殺し、整った眉と目をまっすぐ見据えた。

「本気なの? わたしをからかってない?」

坂田和也はわずかに頷く。

「本気だ。小林絵里、俺が離婚の話に出てこなかったことが、一度でもあったか?」

そう言って、口元だけで笑うでもなく笑わないでもなく、彼女を見た。

小林絵里「……」

沈黙。

……まあ、そうだ。

欠席していたのは、いつだって自分のほう。

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