第765章

坂田和也は彼女を抱き上げ、そのまま浴室へ向かった。

身体を洗ってやりながら、眉目にうっすら笑みを浮かべる。

「ほら。俺のサービス、行き届いてるだろ。気持ちいいか?」

さっきまでの濃密な行為の余韻で、小林絵里は骨の芯までふにゃりと力が抜けている。

それでも声はひどく冷めていた。

「ええ、気持ちいいわ。で、いくら?」

坂田和也の手がぴたりと止まる。瞳の奥に、危うい色が差した。

「……何て?」

小林絵里は構わず続ける。

「相場で考えたら、技術もサービスも悪くないし。2万で足りるでしょ?」

坂田和也は、怒りを笑いで押し殺すように息を漏らした。

この女……俺を、そんな職業扱いか。...

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