第767章

  彼女はスマホをにらみつけ、歯をむき出しにした。

  ——悪徳資本家め……!

  ……

  小林絵里は初稿を佐川鳥雄に送った。だが1時間もしないうちに返事が来て、言われたのは「求めている感じじゃない」の一言だった。

  絵里は眉をひそめ、メールで何度もやり取りを重ねた。けれど話は噛み合わないまま、結局まとまらない。

  なら、直接会って話すしかない。

  絵里が面会を提案すると、佐川鳥雄はあっさり承諾した。待ち合わせ場所は、Y市に新しくオープンした中華料理店——という名の、会員制めいた店だった。

  夕方。絵里が店の入り口に立つと、ドアマンに進路を塞がれる。

  「申し訳ご...

ログインして続きを読む