第77章

「高川さん、どうしてここに?」

 小林絵里は戸惑いながら尋ねたが、その声はまだ微かに震えていた。

 本当に恐ろしかった……。

 ついさっき、あと少し、ほんの少しのところで森の中へ引きずり込まれるところだった。もしそうなっていたらどうなっていたか、想像するだけでも身の毛がよだつ。

 高川寒彦は答える。「たまたま通りかかったんだ。道端で電話をしてたら、こっちで物音がしたから見に来た。まさか君だとはね」

 彼はスマホを取り出した。「今すぐ警察を呼ぶ」

 小林絵里はこくりと頷いた。「はい」

 しかし、彼女が再び振り返ったとき、なんとあの男の姿が消えていたのだ!

「人は?」

 小林絵...

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