第774章

「食べない」

小林絵里は即座に突っぱねた。

坂田和也は飴を口に放り込み、「まずい」と吐き捨てる。

小林絵里「……」

まずいなら食べなきゃいいのに!

彼に調子を狂わされて、絵里は壇上の高川寒彦をそれ以上見ようとしなかった。

司会の進行に合わせて、小嶋未沙がウェディングドレス姿で歩いてくる。ベールがふわりと垂れて、表情は読み取れない。

「新郎は新婦にキスを――」の合図で、高川寒彦がベールを持ち上げ、そのまま潜り込むように身を寄せた。

キスしたのかどうかも、結局よく見えない。

それでも――雷鳴みたいな拍手が会場を埋め尽くし、二人に祝福が降り注いだ。

式が終われば、次は披露宴の挨...

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