第776章

高川寒彦は手にしたグラスをぎゅっと握りしめた。少しの間を置いてから、低く笑い、

「坂田社長、貴重なお話をありがとうございます。肝に銘じます」

坂田和也は細長い眼で、じっと彼を見据えた。ちょうどそのとき、挨拶に来た者がいて、高川寒彦は背を向けるなり、その場を離れた。

……

「疲れた……」

松本桜は小林絵里の隣に腰を下ろし、フルーツジュースを両手で抱えてごくごくと飲む。

小林絵里は訝しげに眉をひそめた。

「何してきたの?」

「ダンス。古川修一ってば、無理やり引っ張ってさ。わたし踊れないって言ったのに、教えるって言い出して。で、教えきる前に――あいつの足、わたしに踏まれまくって潰れ...

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