第777章

坂田和也はわずかに目を伏せ、低い声で言った。

「俺はまだ若い。幸せな日々は、これからだ」

古川爺さん「……」

……

松本桜がひと息ついた頃合いを見計らって、古川修一は彼女の手を取ったまま、またフロアへ引っ張っていく。その様子は、まるで何が何でも踊れるようにしてやると言わんばかりだった。

小林絵里はそれを傍らで見守りながら、口元に小さな笑みを浮かべる。

――恋、なんだ。

ふと考えてしまう。あのとき、もし自分が松本桜と古川修一を引き離さなかったら、どうなっていたのだろう。

自分と彼女は、結局違う。

松本桜は幸せになれる。きっと、必ず。

スタッフが脇を通り過ぎた瞬間、小林絵里は...

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