第781章

「うん」

 小林絵里は目を伏せたまま、小さく返事をした。

 坂田和也が背を向けて出ていってから、彼女はようやくパジャマを手に取り、身につける。続いてベッドを下り、洗面へ向かった。

 出てくると、坂田和也が朝食をテーブルに並べ終えているところだった。

「ここも、あなたの物件なの?」

「いくつかあるうちの一つだ。坂田グループに近い。遅くなった日は、こっちで休む」

 約300平方メートルのワンフロア。ミニマルな内装で、観葉植物ひとつ置かれていない。空気まで冷たく感じるほど、静まり返っていた。

 小林絵里は席につき、スプーンで粥をすくって口に運ぶ。

「ここ、気に入ったか?」

「まあ...

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