第789章

小林絵里は確信が持てず、ひとまず証拠は全部手元に残しておくことにした。今はまだ、そう簡単にG市へ行ける状況でもない。

数日間ばたばたと走り回り、原稿はようやく確定。ワイナリーのほうも工事が動き出した。

小林絵里はデザイナーの面接も始めたが、何人も何人も見ても、これだと思える相手がほとんどいない。

発想はある。けれど現実味がない。大半が空想の翼を広げすぎていて、アイデア自体は面白くても、形にするのが難しいのだ。

そんなある日、松本桜に食事へ誘われた。

ぐつぐつと煮える鍋から湯気が立ちのぼり、香りがふわりと広がる。

小林絵里が肉を一切れ口に入れたところで、松本桜がまたもやため息をつい...

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