第792章

小林絵里は彼女を見て言った。「先にお風呂に入りなさい。それから、ちゃんと寝て。ほかの話は起きてからでいい」

「うん」

松本桜はうなずくと、そのまま以前使っていた客間へ向かった。

小林絵里も主寝室に戻り、シャワーを浴びてから化粧台の前でスキンケアをする。けれど頭の中では、松本桜のことがぐるぐると回り続けていた。

自分の考えた手が、松本桜に受け入れられるだろうか。

とはいえ、今のところほかに手もない。

古川修一が家の圧力を跳ね返して、松本桜だけを選ぶ――そうでもない限り。

でも、古川修一は本当にそこまでできるのだろうか。

彼は坂田和也とは違う。幼いころからきちんと育てられ、良い教...

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