第801章

小林絵里が言い放つ。

「告えたきゃ勝手に告え。でもその前に、あんたたちが公共の場で大騒ぎして、しかも手まで出そうとした。十分、警察に連れていかれる案件よ」

中年女は一瞬きょとんとしたあと、どこか後ろめたそうに目を泳がせた。

警察沙汰はごめんだ。

くるりと目玉を回し、話題をすり替える。

「それはいいとして。中にいるの、うちの娘なんでしょ? なんで入れてくれないのよ。あんな大ごとになってるのに、隠してたじゃない。こっちだって心配してるのよ!」

心配?

どの口が言う。

小林絵里は冷ややかに返す。

「さっきの顔、忘れてないわ。会った瞬間に引き裂きそうな勢いだったじゃない。そんな人に...

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