第814章

松本幸雄「……」

 いつもは崩れない表情に、じわりとひびが入っていく。

 株主一同「……」

 え、なにそれ。

 自分が何を言ってるのか、一回聞き直してみたらどうだ。

 面々の顔は百面相だ。しかも全員、坂田和也へと視線を投げてくる。――次は何を言い出すつもりだ、と。

 電話の向こうの小林絵里「……」

 幻聴でもしたのかと思った。

 いま、いじめられてるって……。

 彼に限っては、いじめられる側じゃなく、やる側だろうに。

 絵里は淡々と言った。

「どうやら無事みたいね。じゃあ、切るわ」

「無事じゃない。マジで無事じゃない」

 坂田和也が慌てて食い下がり、必死に引き止める...

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